【20代介護士の方必見】介護士の施設別年収・福利厚生に関して
2021年6月22日 掲載
今回は介護士の施設別年収・福利厚生に関してに解説いたします。
生活の大部分を占めるのは仕事の時間だと思います。
転職するときには、年収や福利厚生などはしっかり把握しておきたいものですね。
介護士の年収は平均的な年収に比べ安いと聞くことが多いですが、実際は安いことはありません。
福利厚生も充実しているところがほとんどです。
また、介護業界は高齢化が進む今必要性の高い職業として見直されつつあります。
そんな介護業界の将来性も含めて介護士の仕事について見ていきましょう。
目次
介護士の20代平均年収とは
男女別の年収差はあるのか
20代(25〜29歳までを対象 / 厚生労働省発表の平成29年賃金構造基本統計調査の結果)の介護士の年収は、平均約342万円です。
男女別に見てみると、男性が平均約342万円、女性が平均約324万円です。
大きな差ではありませんが、男性の方が少し高くなっています。
男性は正社員で勤める方が多いのに比べ、女性はパートなどになり時間が少なくなる関係があります。
介護業界では人材の流動がかなり活発になっており、就業形態も多様になっております。
これは介護士の市場での人材不足の影響が大きいです。
2020年9月での「介護サービス職」の有効求人倍率は3.88倍なので、仕事を探している介護士一人に対して3つ以上の求人がある状態なので、全国平均の有効求人倍率が1.10倍(2021年3月期)ということも踏まえると転職しやすさはかなり高いでしょう。
年代別にどのように給料は上がっていくのでしょうか?
年齢 | 男性介護職の年収 | 女性介護職の年収 |
20~24歳 | 年収:約293万円 | 年収:約293万円 |
25~29歳 | 年収:約342万円 | 年収:約324万円 |
30~34歳 | 年収:約366万円 | 年収:約326万円 |
35~39歳 | 年収:約384万円 | 年収:約327万円 |
40~44歳 | 年収:約383万円 | 年収:約328万円 |
45~49歳 | 年収:約371万円 | 年収:約328万円 |
50~54歳 | 年収:約365万円 | 年収:約317万円 |
55~59歳 | 年収:約355万円 | 年収:約328万円 |
60~64歳 | 年収:約279万円 | 年収:約291万円 |
65~69歳 | 年収:約237万円 | 年収:約255万円 |
70歳~ | 年収:約247万円 | 年収:約256万円 |
出典:
https://www.co-medical.com/knowledge/article75/
上記のグラフでは介護士の年齢・性別ごとの年収を表しております。
男性は35〜39歳の384万円、女性は40〜49歳・55〜59歳の328万円がピークとなって上がっていきます。
ピークになった年齢からまた徐々に年収が下がっていく傾向にあります。
男性は35歳前後から管理職など役職がついたり、夜勤が増えたりという点で年収が上がっていることも考えられます。
それに対し、女性は子育てがありパートで働くことも多くあります。
子育てが落ち着いた時期から働く時間も長くなり年収が上がっていると考えられるので、男性とピークがずれています。
就業先別で差はあるのか?
次は就業先別によって年収の差があるのか見ていきましょう。
介護士の就職先では、病院・高齢者施設・訪問介護サービス事業所など多岐にわたります。
これら3つの施設を2つの観点から特徴を見ていきましょう。
病院 | 高齢者施設 | 訪問介護サービス事業所 | |
年収 | 400万円 | 330万円 | 350万円 |
職場環境 | 夜勤あり 役割が明確 | 夜勤あり 患者さんと接点が多い | 夜勤なし 休みの融通がつきやすい |
1:年収
年収の差につながってくるのは、夜勤があるかどうかと事業者の運営が民間かどうかです。
まず、24時間体制で業務にあたる病院や入所施設には夜勤があります。
夜勤手当てがあることで年収が上がることが大きいです。
夜勤は月に4〜5回程度のところが多いようです。
事業者が民間である場合、事業所が待遇をよくしたり外観をこだわったりと付加価値をつけてサービス料を高くすることもあります。
その場合、年収も高くなることがあります。
2:職場環境
職場ごとに差はありますが、それぞれの特徴を見ていきましょう。
・病院
入退院があるので、患者の入れ替わりが多いところでは、その分業務が忙しいことがあります。
他職種が多いのも特徴なので、役割分担がしっかりされていることが多いです。
24時間体制となるので、夜勤や土日祝日の勤務もあります。
・高齢者施設
介護老人保健施設はリハビリをして自宅に帰ることを目的にしているので入退所の人数が多い場合、忙しいこともあります。
有料老人ホームや特別養護老人ホームは長期的に利用する方が多く、日々の生活を充実して過ごすことに重きを置いています。
施設はほとんどが24時間体制になるので、夜勤や土日祝日の勤務もあります。
・訪問介護サービス事業所
主に高齢者の自宅を訪問するヘルパーの仕事です。
サービスの予定時間があらかじめ決まっているため、残業は少ないことが多いです。
また、おおむね平日の日中にサービスを提供している事業所が多いです。
土日祝日の休みは取りやすいと思われます。
介護士の福利厚生はどこが重視するか
産休・育休制度はどうか?
介護士も、パートやアルバイトを含め、全ての女性を対象に、産前・産後の休業を取得することができます。
産前は、出産を予定している日の6週間前(双子以上は14週間前)から取得することができます。
産後は出産の翌日から8週間は取得することができます。
育休は、子供が1歳になるまでの希望する期間に、取得することができます。
ただし、条件として以下のような点があることに注意してください。
・継続して1年以上勤務していること
・子供が1歳6ヶ月になるまでの間に契約が満了することが明らかではないこと
これらの条件を満たしていれば育休制度を雇用条件に関係なく取得することができます。
残業時間はどうだろうか?
残業が多くきつそうといったイメージがある方も多いでしょう。
介護士は他の業種に比べて基本的に残業は少ない傾向にあります。
介護士は、介護という日常生活に即した仕事内容になります。
記録を残したり、勉強会に参加したりという机上での業務内容はあるものの多くはありません。
ルーティーン化されている業務が多く作業時間も大きく変わらないことが多いので、残業は少ない傾向にあります。
形態による差があるか見ていきましょう。
・病院
24時間体制で、交代制です。
勤務終了時間前には交代の職員が出勤してくるため、仕事を引き継げることが多いです。
残業して残った仕事をするか、引き継ぐかは職場の方針により異なります。
最近は、残業をさせず残った仕事は引き継ぐというところが多くなっています。
・高齢者施設
病院と同様に24時間体制の交代制です。
同じように、残業になるか交代で仕事を引き継ぐか職場によって異なります。
施設によっては季節行事などイベントがあるため、企画や準備などに残業する場合があります。
・訪問介護サービス事業所
訪問系のサービスは、提供時間が決まっているため残業は少ない傾向にあります。
介護サービスを提供する場所と記録など事務作業をする場所が明確に違うので事務作業も効率的に行えることが多いです。
実際に転職をする際にはどのようにすれば良いのか?
現状の悩みは何か?どこが解決したら良いのだろうか?
介護士の年収や福利厚生などを見てきました。
介護士の給料は安いのではないかと思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
介護士の人手不足が課題となっており、介護職の待遇を改善しようとする国の動きもあります。
そのため、年々給与は増加傾向にあります。
給与が安いと思う時は夜勤ができる就業場所を探したり、資格をとって資格手当がつく条件を探したりすると良いでしょう。
今後も高齢化が進むと言われており、介護士の仕事は絶対に必要なものです。
介護士の仕事の価値は、見直されつつある段階です。
転職においては、もちろん経験者は優遇されると思います。
しかし、介護士は未経験から仕事を始める人も多いです。
辞める人も多くいる職種なので、人材育成には現場も力を注いでいます。
心配がある場合は、面接や見学に行った際に人事担当者に未経験という旨を伝えて新人教育について聞いてみるのも良いでしょう。
周りに信頼できる人はいるか?実際の体験談を聞いてみよう。
ある程度自分の中で意見が固まったら、いざ転職活動を始めましょう。
方法は複数ありますが、ここでは代表的な方法を紹介します。
1:転職エージェントの活用
まずは転職エージェントの意見を聞いてみるのがよいと思います。
相手はその道のプロなので、色々と相談していきながら進めていくことがベターです。
しかしここで注意して欲しいことがあります。
それは必ず『自分の軸を持つ』ということです。
エージェントの意見といえど、あくまであなた自身ではありません。
転職して働くのは紛れもないあなたなのですから、自分の意思で物事を判断できるようにしておくと良いです。
またエージェントも人なので、必ず『相性』があります。
これは大手だから安心ということでも、中小だから信頼できないといったことでもありません。
あなた自身でもしっかりとした下調べをした上で、臨んでいただきたいということです。
だからこそ『自分の軸を持って、そこだけはブレないように動いでいきましょう。』
そうすれば、転職活動を成功に導く可能性は高いです。
2:twitterやブログの活用
単純に意見を見たい方ならブログやtwitterもおすすめです。
ここではおすすめのアカウントを3つご紹介します。
・ごろにぃ@介護コンサル
雇われの介護コンサルをしながら、介護士として介護現場のお手伝いをしている方。
介護現場でのあるあるや心得などを紹介してくれるお勧めのアカウント。
https://twitter.com/goronyi_kaigo?s=21
・かいごちゃん〜介護士応援アカウント〜
介護の現場で働く方を応援してくれるアカウント。
細かい介護現場の情報から雑学までお知らせしてくれるので心強いです。
https://twitter.com/kaigochan_?s=21
・のーさん@介護垢
地域密着型デイサービスの管理者をされている介護歴15年のベテラン。
現場で体験した良かった情報など、介護士のリアルを知ることができるアカウント。
https://twitter.com/nosan1031?s=21
まとめ
介護士の年収について、皆さんのイメージはいかがでしたでしょうか。
結構イメージが変化した方も多いのではないでしょうか。
今回の記事をまとめると
・介護士の年収は20代で平均約342万円と極端に安いわけではなく、将来的にも期待できる職業である
・夜勤や役職手当などによって年収が増えることが多い
・産休や育休の福利厚生はしっかりあり、残業は少ない
しかし、必ず考えていただきたいのが『目先の条件だけを求めてもいけない』ということです。
しっかりとキャリア計画を考えて、転職を検討してください。
あなたの人生にとって幸せになるにはどのくらいの働き方が良いのか?年収はいくらあれば良いのか?といったことをしっかりと検討して、行動していきましょう。