【転職検討している方必見】介護業界は今後年収が上がっていくのか?
2021年6月28日 掲載
転職先を探している方で介護の求人を目にすることは多いと思います。
常に多くの求人が出ている印象の介護士。
介護業界は今後年収が上がっていくのか、気になるところです。
介護の仕事はきつくて給料が安いという印象もありますが、近年介護士の待遇は見直されつつあります。
介護士の必要性と重要性が強くなってきている結果です。
高い需要のある介護士はこれから年収が上がり、職場環境もよくなる傾向にあります。
では、介護業界の現状や年収などを詳しくみていきましょう。
目次
介護業界に関する現状
どのような問題があるのか
介護業界の問題点について見ていきましょう。
よく最近のニュースで人材不足や労働環境がきついといったネガティブなニュースを聞くことがあるのではないでしょうか。
厚生労働省の発表した介護人材の必要数は、2020年度(令和2年度)末に約216万人、2025年度(令和7年度)末に約245万人が必要になるといわれています。
2016年度の約190万人いる介護職の人員に加え、2020年度末までに約26万人、2025年度末までに約55万人増員しないといけません。
年間にすると6万人程度の介護人材を確保する必要があるのです。
参考:厚生労働省「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323.html
少子高齢化の問題
参考:財務省「日本の少子高齢化はどのように進んでいるのか」
https://www.mof.go.jp/zaisei/reference/index.html
日本は高齢者の割合が増加している一方、出生率は低下しています。
約40年後までに、65歳以上の人口は横ばいなのに比べ20〜64歳の人口は減少しています。
このグラフから高齢者1人に対して、約1.3人の人たちで支えていかなければなりません。
出生率に関しても2040年には1.43になると予想されているので、総人口としては減少していく一方です。
そのため介護できる人材も減ってくるので、老老介護が必要になるケースも増えてきています。
人手不足の深刻さ
介護業界は人材不足の深刻さがあります。
職員が不足しているのは、採用が困難であることが大きく、同業他者との人材獲得競争が厳しいという理由があげられています。
参考:介護労働安定センター
http://www.kaigo-center.or.jp/report/2020r02_chousa_01.html
訪問系介護サービスや高齢者施設など必要性が高いので新しい事業所がどんどん生まれています。
新しくサービスを始める分、人材確保が必要となります。
結果として、事業所間での人材の争奪戦が生まれています。
1:離職率の高さ
人材不足の原因の一つは離職率の高さです。
離職する原因を見ていきましょう。
どこの職場でもあることですが、人間関係の問題があげられます。
介護の現場は事務仕事ではありませんし、チームでの協力が必要です。
情報共有を行うことが日々のケアで必要になるため、同僚とのコミュニケーションは必ず必要です。
以下のような意見はよく挙がる懸念点になります。
・働く人たちと年齢や考え方が合わず、職場に行くのが嫌になる。
・職場で愚痴しか出てこないため、モチベーションが上がらない。
もちろんこれは介護業界に限った話ではないですが、毎日のことなのでこういった人間関係でつまずいてしまうと離職の原因になりやすいです。
2:勤務形態の変化
場所による仕事内容にもよりますが、基本的に介護は体を資本とする仕事です。
重度の介護度の方の体を支えることも多く、体力的にきつい方もいるでしょう。
そのため長時間の勤務がきついという方もいます。
また、夜勤や早出など交代制なので出勤を求められることもあります。
夜勤での仕事となった場合、育児に集中することができず家庭の環境的に続けられないということもあります。
3:給料やスキルアップ
経験年数が増え、実績を積んでくるとより良い条件の就職先もわかってきます。
新たな挑戦をするためや資格を取るために転職する方も多くいます。
また、経験がある人材は募集している事業所からも魅力的です。
これらのことから、転職活動をすることによって良い条件で雇ってくれるところももちろんあります。
良い人材が別の事業所に流れていくため、必然的に辞める方も多く人手不足の原因になります。
介護職は今後どのようになっていくのか?
国の施作
国は今後の方針として、以下のような取り組みを始めています。
➀介護職員の処遇改善
➁多様な人材の確保・育成
➂離職防止・定着促進・生産性向上
➃介護職の魅力向上
➄外国人材の受入環境整備など総合的な介護人材確保対策
国としても介護士が働きやすい環境を作っていこうという方針が打ち出されているということです。
国がこういった形で関与することで、よりよい待遇や給料改善に動いていくと見られています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323.html
参考:参考:厚生労働省「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」
年収は上がっていく
介護士の年収は上がっていくことが予想できます。
介護職員の処遇改善をしていくという国の方針がありますが、それが給料に直接関係してきます。
「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」の制度によって、介護士の年収は年々上がっています。
これらの制度は国から介護士をもっと評価するようにしていくという方針が形になって現れている制度です。
国からの働き方により、現場でも介護士の仕事を評価していく傾向は高まっています。
まだまだ人手不足が続いているため、今後も給料が上がっていく制度改正もされていくと予想されます。
また介護サービスを利用する人は増加傾向です。
少子高齢化により、介護を必要とする方が増えている一方、介護を提供する方は減少傾向です。
老老介護の問題にもつながります。
老老介護とは、65歳以上の高齢者が自分と同じかそれ以上の高齢者を介護している状態のことです。
家族間での介護することが共働きの影響などで難しくなっており、その際に必要となるのは介護サービスです。
実際に介護施設などの新たな事業所もどんどん生まれています。
そうすると若い人材が求められるでしょう。
事業所が増えると顧客獲得のためサービスの内容ももちろんレベルが高くなってきます。
質の高いサービスが提供できるよう、いい人材を確保するため給料を高く設定する事業所も増えてくるでしょう。
需要を感じる介護士の声を実際に聞いてみましょう。
こういったようにやりがいを持って働いている方も多いです。
さらに、資格や経験によっても年収は上がってきます。
勤続年数を重ねれば年々年収も上がってきます。
同じ場所で経験を積んでいくことで、管理職などの役職につけることもあります。
役職手当がつくとさらに給料は上がってきます。
ステップアップの方法に資格取得もあります。
介護福祉士の方は、ケアマネージャーの資格を取る方も多いです。
ケアプランを作ることができるようになり仕事の幅も増えます。
資格手当が発生したり、他の職場への転職もしやすくなったりするため給料アップを目指す介護士をしている方は目指してみる価値のある資格です。
職場環境は改善されていく
今後は、介護の現場の職場環境も徐々に見直されつつあります。
一つはITとの融合です。
介護の現場は、資金的にゆとりがなくITの投資に踏み切れない事業者も多くあります。
しかし、日々の記録や計画書などを、パソコンを使って行うことで作業時間が短縮されます。
また、情報共有が行いやすくなるというメリットもあります。
国からも環境を整備するよう働きかけが増えることも期待されます。
参考:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66136860S0A111C2XY0000/
IT化が進む施設の例として、以下のようなtwitterがありました。
ITと介護業界はロボットやVRだけでなく、日々の業務にもすごく相性が良いです。
今後はますます期待したいところです。
介護保険法は、おおよそ3年ごとに改正されています。
参考:厚生労働省「介護保険法改正」
https://www.mhlw.go.jp/content/000640392.pdf
認知症対策や介護サービス提供体制の整備を推進することになっています。
必要なサービスに対し、加算されるような仕組みになっています。
今後、高齢化が進み介護サービスの充実が求められるため国からも援助が求められるでしょう。
給料の改善としてあげられるのが、介護職員処遇改善加算です。
この政策は、介護職員の給料を上げるための対策です。
加算の用途は、給与・賞与・一時金となっており、これにより給料は年々上がっています。
直接的な給料の増加にも効果的でしたが、介護士の給料について見直すきっかけにもなっています。
処遇改善手当をもらった声
周りに信頼できる人はいるか?実際の体験談を聞いてみよう。
1:転職エージェントの活用
まずは転職エージェントの意見を聞いてみるのがよいと思います。
相手はその道のプロなので、色々と相談していきながら進めていくことがベターです。
しかしここで注意して欲しいことがあります。
それは必ず『自分の軸を持つ』ということです。
エージェントの意見といえど、あくまであなた自身ではありません。
転職して働くのは紛れもないあなたなのですから、自分の意思で物事を判断できるようにしておくと良いです。
またエージェントも人なので、必ず『相性』があります。
これは大手だから安心ということでも、中小だから信頼できないといったことでもありません。
あなた自身でもしっかりとした下調べをした上で、臨んでいただきたいということです。
だからこそ『自分の軸を持って、そこだけはブレないように動いでいきましょう。』
そうすれば、転職活動を成功に導く可能性は高いです。
2:twitterによる情報収集
最近では情報収集の手段としてtwitterを運用する方が増えてきました。
日本では匿名での情報提供が主流になっており、端的に情報を取得するには良いツールです。
ここでは、おすすめするユーザーを紹介いたします。
・介護士K
介護士が『働きやすくなる』情報を発信してくれる、介護士歴15年。
https://twitter.com/kaigo_kk?s=20
・医療介護関連情報・ニュース by 法なび
医療・介護に関連するニュースなどの情報を自動的に収集し自動的にツイートしてくれる。
https://twitter.com/hounavi_iryou?s=20
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
総括すると、以下のような部分が大きな特徴になります。
・少子高齢化や人手不足、離職率の高さから介護士の必要性は高まっている
・介護士の必要性が高まっているため、今後は年収が上がっていく
・国の対策や一般的な介護士への考えが見直されつつあり、職場環境は整う方向へ進んでいる
介護業界は今後国を支える大きな基盤になることは間違い無いですし、改善できなければ崩壊しかねない業界になるのでより良い職場になると考えております。
皆さんもぜひ今回の記事を参考にしてください。