【未経験者必見】介護業界の有効倍率とは?
2021年6月30日 掲載
転職を考えたときに、よく求人に出ている職業に介護士があります。
転職活動をするときに、条件の良い職場に就職しやすいのか気になりますよね。
また、専門職なので未経験者でも働くことができるのかも心配される部分ではあります。
介護士の仕事は、まだまだ人手不足でありこれからどんどん必要となっていきます。
需要がある仕事なので、良い条件の就職先も探しやすいでしょう。
また、未経験者でも就職して現場で経験を積むことで働くことができる職業でもあります。
これから、ますます需要が高まると思われる介護業界。
効求人倍率や介護業界で働くことへの懸念点などを徹底検証して紹介していきます。
介護業界への有効求人倍率とは
有効求人倍率は高く一人当たりに3つ以上ある職業
介護業界の有効求人倍率についてみていきましょう。
有効求人倍率とは企業からの求人の数を、公共職業安定所(ハローワーク)に登録している求職者の数で割った数値のことです。
有効求人倍率は、求職者一人に対して何人分の求人があったかということを示しています。
つまり、求職者よりも求人が多い時は、人手が不足しているということで有効求人倍率は1を上回ります。
逆に求職者よりも求人が少ない時は、就職難となり有効求人倍率は1を下回ります。
求職者にとっては有効求人倍率が高い方がより採用されやすい状態であると言えます。
出典:KAIGO HP
https://kaigohr.com/report-post/hr-trend07
有効求人倍率の推移をみていきましょう。
全産業の平均的な有効求人倍率は2018年4月が1.59倍、2020年1月には1.5倍を下回り1.49倍、2020年9月には1.03倍と年々、低下しています。
それに比べて、介護サービスの有効求人倍率をみてみましょう。
2018年は3.59倍と全産業の平均に比べ2倍以上の倍率です。
それから、年々有効求人倍率は上昇しており、2020年1月には4.45倍になっています。
2020年9月には3.82倍と少し減少していますが、それでも高い倍率です。
2018年4月から2020年9月までの間で、有効求人倍率が3を下回ったことはありません。
つまり、有効求人が一人当たりに3つ以上ある職業ということになります。
新型コロナウイルスの影響が発生し、求人が減って就職しにくくなっている状況にも関わらず、これだけの需要がある介護士は、転職先を探しやすい職業であると言えます。
そもそも介護はなぜ印象が良くないのか
介護業界に対してのイメージは皆さんにとっていかがでしょうか。
twitterでの評価を見てみましょう。
介護士の仕事は、一般的なイメージで「きつくて辛い仕事」と思われる方が多いと思います。
では、どうして「きつくて辛い仕事」というイメージを持たれるのでしょうか。
体力的にきつい
まず、体力的にきついと思われがちです。
体力的にきついと言われる理由をしては、体を資本とする仕事であり、重度の障害を持つ方の介護は力を要することもあるからです。
例えば、排泄の介助の際、立ち上がるときに支えること、入浴介助の際、抱えて湯船に入れることなどがあります。
しかし、介護士の年齢は幅広く若い10代から60歳を超えて働いている方もいます。
そこで、雇う側もその人に配慮した改善案を用意してくれます。
1:働いている方のできる範囲の仕事
介護士の仕事は、直接的に介助する力仕事だけでなく、食事の配膳や食事を口元に運ぶ介助、入浴時の着替えを用意する、ベッドメイキングなど多岐にわたります。
力仕事が難しい方には、力を必要としない役割分担を任されることもあります。
2:介助者を複数人にする
時には、体重の重い方や介護度が高い方など一人で支えたり抱えたりするのが難しいこともあります。
例えば、トイレで車椅子から立ち上がって立っていることが難しい方を支えながらズボンを下ろすのは一人では難しいことが多いです。
また、入浴の時、抱えて湯船に入れること、車椅子からベッドへ移ることなどもあります。
一人では抱えきれない場合には介護者を2人や3人にするなど配置してくれます。
チームで協力しあっていく仕事なので心配はいりません。
一人で難しい時は、無理をせずすぐに上司や同僚に助けを求めましょう。
そして、体力的にきついと思われる夜勤があります。
夜勤も必要な仕事ですが、交代制なので希望を出すことができます。
どうしてもやりたくない時は、夜勤のない職場を選ぶのも良いですし、就職時に希望を伝えることもできます。
人によっては給料を上げるために夜勤を多めに入れたいという方もいます。
自分のできる範囲を決めて就職先を探すのも手です。
精神的にきつい
どの仕事でもそうですが、精神的にきついことはあります。
人間関係で同僚と折り合いが悪くなることもあるでしょう。
しかし、チームで協力してケアをしていくということは必ずコミュニケーションが必要になります。
精神的にきついこともあるかもしれませんが、一方、チームで同じ方向を見て仕事にあたるということがやりがいにつながることもあります。
考え方は人それぞれあるかと思いますが、介護士に限って精神的にきついということはありません。
もし同僚とのことで問題になった時は、上司に報告するなどして相談するようにしましょう。
相談することで、問題があるときは上司が介入してくれたり、折り合いのつかない同僚と仕事の現場を別にしてくれたりと対応してくれることもあります。
ブラックな職場環境なのか
『3K』と言われていた
「職場環境が悪くてブラック」というイメージも持たれることが多いです。
それは、昔から介護士の仕事は「3K」と言われていたことがあります。
この「3K」とは「きつい、汚い、危険」の3つのKが当てはまるとされていました。
しかし、最近は働き方や環境も見直されつつあります。
「きつい」は前述した身体的や体力的なきつさがあると思います。
人によって身体的にも負担がない程度に実施できる方法で働かせてもらうことができます。
精神的きつさは、人それぞれであること、やりがいと表裏一体という面があります。
「汚い」は、排泄処理やおむつ交換といった仕事が当てはまるかと思います。
最近の介護現場は、感染対応にも気をつけられており、ゴム手袋やエプロンが使い捨てで用意されています。
昔に比べて清潔に働くことができるようになっています。
しかし、排泄は生活していく中で毎日のことなので、慣れも必要であることは絶対です。
「危険」は、転倒などの事故のリスクなどがあると思います。
介護の仕事が未経験の方は心配もあるかと思います。
しかし、未経験者に最初から危険な仕事を任せることはほとんどありません。
事故を起こしてしまっては雇った側の責任にもなります。
リスクについては必ず必要な指導や研修があります。
研修をしっかりと行わない限り、介護施設として評判が悪くなってしまったり、問題が生じてしまうと倒産などに陥ってしまう危険性があります。
だからこそリスク管理については常に気をつけており、仕事をしていく中で自然に身についていくことでもあります。
残業は意外と少ない
介護士は、「サービス残業が当たり前」と思われている方もいるかもしれませんがそんなことはありません。
介護士の仕事は残業は意外と少ないのです。
介護士の仕事内容はほぼ生活の支援なのでルーティーン化されています。
食事、入浴などはあらかじめ予定がほぼ決まっているのです。
何か特別なことがない限りは、時間通りに仕事が進むことが多いです。
また、介護士は時間によって交代制のことが多いです。
仕事が残ってしまっても、交代の職員がくることで仕事を引き継ぐことができます。
もちろん例外的に法外な時間で働かせる職場もありますが、これは介護に限った話ではなくどの業界にも存在します。
最近は、社会的に残業をさせない方向に向かっているので、なるべく残業をさせず帰らせるという職場が多くなってきています。
正社員と非正社員の割合
正社員 | 非正社員 | |
介護職員 | 56.7% | 41% |
訪問介護職員 | 17.5% | 79% |
参考:厚生労働省「介護労働の現状」
正社員と非正社員の割合をみていきましょう。
厚生労働省の「介護労働の現状」によると、介護職員では、正社員が56.7%、非正社員が41%です。
訪問介護職員は、正社員が17.5%、非正社員が79%です。
40%以上は非正社員が占めています。
非正社員は契約職員、嘱託職員、パートタイム労働者等です。
介護士は、24時間制で人手が必要な職場が多いです。
時間で区切って人手が足りない時間だけで募集が出ていることもよくあります。
自分の希望する時間帯に募集が出ている職場もあるでしょう。
もちろん正社員が求められていることが多いですが、パートタイムでも探しやすい職種であると言えます。
柔軟に仕事ができるといった面ではあなた自身の働き方に合わせて、仕事を選択することができます。
介護業界の年収はある程度決まっている
介護の現場には、介護報酬という制度があります。
事業者が介護サービスを提供した時に、そのサービスを利用した人はサービス料を支払います。
そのサービス料は、サービス内容の種類ごとに、国から定められた金額を保険料として事業所に支払われます。
この介護報酬は約3年ごとに改訂されます。
高齢化が進む今後は、福祉を整えていかなければなりません。
福祉の仕事における業界のシェア率は高まっていくでしょう。
介護士の需要は高いにも関わらず、人材が増えていかない状況があります。
国は介護士の人材を大切にし、介護士の仕事を価値のあるものにしようとする動きを見せています。
そのため。介護報酬が極端に下がることはないと思われます。
需要のある仕事内容の介護士の給料はある程度決まっており保障されていると言えます。
他の業界と比べてどうか
介護業界の良いところ
ここまではなぜ介護業界が悪い印象を保たれているのかについて見てきました。
次は介護業界は他の業界と比べて、給料や働き方の面からどういった違いがあるのかについて解説していきます。
営業ノルマがない
まず、営業ノルマというものがありません。
一般的なサラリーマンですと、『目標』をもって働くことになります。
営業職であれば「月何件の販売実績を作るように」「あと何件の受注を受けるように」などノルマというプレッシャーがあったり、人事担当であれば「今月何人採用しなければならない」など期限が決められているものが存在します。
このノルマに対するプレッシャーが、時には達成困難でストレス抱えてしまうこともあるでしょう。
しかし、介護業界にはそのようなノルマが存在しません。
日々の生活に即したルーティーン化した業務をこなしていくことが求められるからです。
技術的なことを求められない
専門的なことを求められるかもしれないと不安な気持ちになることもあると思います。
しかし、介護士は技術的なことを求められるということはほとんどありません。
介護のコツというのは現場で経験を積むことでついてきます。
平均年収は割と高く今後も高くなっていく
介護士の年収は、安いと思っている方も多いと思います。
しかし、介護士の年収は、平均約340万円となっています。
これは平均ですが、夜勤手当や役職手当などが付くと上がってきます。
また、国が介護士の不足を受け、介護士が働きやすい環境を整えるよう動いています。
需要のある職業のため、今後も年収も上がっていくことが予想できます。
未経験だとしても働くことができる
介護士の仕事は未経験から始める方がとても多いです。
雇う側も未経験で応募してくる方が多いのでそれ相応の教育体制を持っています。
「未経験者も歓迎」と募集をしている事業所も多くあります。
未経験者でも採用されやすい職業だと言えます。
コミュニーケーション能力がすごく必要といったわけではない
もちろん、チームでケアにあたるので最低限の報告・連絡・相談は必要です。
しかし、仕事内容は生活に即したことがほとんどです。
利用者や患者との日常会話など、思いやりのある声掛けができれば十分です。
覚悟しなければならない点
介護職のイメージに変化はありましたでしょうか。
実際に介護業界で働きたいと思った方でも、必ず認識しなければならないことについてお話ししていきます。
これらのことは実際の面接でも聞かれることが多かったり、離職理由に繋がってしまうので丁寧に解説
夜勤があるケースが多い
介護は24時間体制のところがほとんどです。
そのため、夜勤があります。
交代制なので、月に夜勤する回数は決められているところが多いです。
主婦のパートなどが多い職場では、夜勤を求められることもあります。
しかし、夜勤をしないという選択もできるので上司と相談していくと良いでしょう。
肉体労働がある
介護士という仕事は、主に体を資本とした肉体労働です。
重度の介護度の方を抱えたり、支えたりしないといけないこともあります。
体を痛めてしまうことも時にはあるでしょう。
日頃から体調管理に努めることも仕事のうちと言えます。
休みは平均的なサラリーマンと比べると少ない傾向にある
土日祝日を休むことができるサラリーマンと比べると休みが少ないという傾向にあります。
介護の現場に土日祝日は関係ありません。
また、土日祝日は希望休を出す人も多いです。
現場はたくさんのスタッフがいる一方、出勤人数も確保しておかないといけないため、希望の休みが取りにくいという状態もあります。
良くも悪くも人間関係に左右される部分がある
どの仕事に置いてもあると思いますが、人間関係の問題があります。
チームでケアにあたる仕事なので、職員同士の関係も重要です。
職場で愚痴をたくさん聞いて嫌になることもあります。
また、介護士は幅広い年齢の方が働いているので、話が合わないということもあるかもしれません。
しかし、人間関係というものは介護業界に限った話ではありません。
仕事をする上で、クリーンな関係を築いておくのは重要なことです。
まとめ
これまでの話を踏まえると、以下のようになります。
・介護業界の有効求人倍率はとても高く一人当たりに3つ以上ある転職しやすい職業である
・介護はブラックで印象の良くない仕事と思われているが、年々、平均年収は上がってきており働きやすい環境にもなってきている
・夜勤があり肉体労働をしないといけないという点はあるが、未経験者でも転職しやすくノルマなどもない魅力的な職業である
介護に対するイメージに変化はありましたでしょうか。
今後の日本社会にとって必要不可欠な業界であること・収入が改善されていることなどを見ると業界としての将来性は明るいでしょう。
ぜひ今の仕事に対して、満足していなければ話を聞いてみるも良いと思います。